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過去、コンチェルトゲートの主に身内向け業務連絡用として存在していました(2010年秋。事実上の更新終了です)
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フレイア大陸南部。一年以上前の話になる

銀鉱脈が発見され、シルバーラッシュに沸いた頃
供給を超えて需要が爆発した
私のような資本力のない零細職人に手が届く代物ではない
そんなタマゴに等しい駆け出しの私に、信用貸しで銀を卸してくれる人が現れた
カジュカジュ。彼はウィルノアに拠点を構える熟練した採掘士だ

その彼から久しぶりに手紙を貰い、有難いお話を頂いた
銀の採掘現場を見せてくれるというのだ
先輩職人から教わった言葉
いい職人になる第一歩。素材の生い立ちを知りなさい
私はこの言葉を思い返し、嬉々としてウィルノアへ旅立った


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カフェ・マッキャート、それからティラミスを―

気だるい午後。カフェ・シュガーポットで一人のティータイム
焦点の合わない目でヒヨコ達を眺めながら、深くため息をつく
「何がどう違うのか…」

近頃のマイブームは彫金銀細工なのだけれど
自称”可憐なヒヨコちゃん”は、ココットに謎の物体と評された
私は諦めない。手直しを加え、謎の物体は、じゃがいもに成長し
冬眠前のカエルに特殊進化して今に至る
なんだかティラミスもほろ苦い


翌朝、彼と合流し採掘場へ向かう
容赦なく太陽が降り注ぐ露天掘り。玉のような汗が噴きだす
銀鉱脈は地盤が固く、体力の消耗が尋常ではないらしい
「いや、正直キツイよ?」
彼は苦笑いしながら、銀採掘の実際をあますことなく見せてくれた

私は姿勢を正し、彼の一挙一動を、銀の生い立ちを凝視する
目の前の光景を、その奥にある真実を、深呼吸するように体に、心に焼き付ける
見惚れていた。彼のゴツゴツとした大きな手は銀色を纏い…
まるで、白銀の籠手―
あの手は何を護り、これから先、何を掴み取るのだろう


夕刻。今日のお礼を兼ねて彼を食事に招待した
水の都ウィルノアは思いのほか湿度が低く、日が沈むと真夏でも涼しい
心地よい夜風に吹かれ、ウィルノア料理に舌鼓
海に程近いこの街は海産物、特に手長エビ、墨イカの名産地である
手をかけた果樹園が隣接し、果物も美味しい。至福の時だ


残るはデザートとなった頃、ふいに訪れた沈黙
いつもと違う風景に思いは巡る
旅は人を成長させると言う
人生は旅である、と比喩するならば。私は旅をしてきたのだろうか…
道を違えず前に進めているのだろうか…

頭をよぎる自己嫌悪。振り払うように、思い立ってある行動にでた
「あの時のタマゴはこんなに大きくなりました」
そう呟き”可憐なヒヨコちゃん”を彼の大きな手にねじ込んだのだ
彼はいささか驚いた様子で、銀細工と私の顔を交互に眺めてこう漏らす
「何とも味のある…。ぶちゃいくなヒヨコだね」
感慨深い眼差しで私を捉えてうなずいた

どうやら私は、ぶちゃいくなヒヨコに昇格したらしい
私は表情が緩むのを押し隠すように
にんまりと笑顔を作り、彼から奪ったほろ苦いティラミスを平らげた


ジャグリン ―白銀の籠手―





 

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