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過去、コンチェルトゲートの主に身内向け業務連絡用として存在していました(2010年秋。事実上の更新終了です)
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「正体は見てのお楽しみ」

お姉さんは楽しげな口調で私達を諭す
こんなに心が浮き立つのは幼少の頃の遠足以来だろうか

古代の魔女メリコ=マセーラ
フレイア大陸東部で悠々と水を湛える
メリ湖には、魔女の伝承が数多く残されている
その一つが知る人ぞ知る…月満ちる青
採掘姉弟に誘われて、私とココットは彼の地へ旅立った

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夕闇が迫る頃、湖畔に降り立った私達
まずは、ココット特製のオムライス(中身はリゾットタイプで私好み)に舌鼓
輝く卵が満月のようだねぇ…と、たわいのない会話を交わし
弟君の淹れてくれたコーヒーで食後の余韻を楽しんだ


月亡き、満月の闇夜に”青”は現れる
お姉さんが言うには、今夜はまたとないチャンス
夜空は厚い雲に覆い尽くされ、漆黒の闇が満月を隠匿していた
私達は頃合を見て、松明の火を落とし
光なき世界の住人になる

揺らぎ始めた現実感
視覚が奪われその反面、音や匂い、気配…他の感覚が鋭敏になった
ぽつりぽつりと話す息遣いが親密さを増し
お互いの気配から心情を推し量る
闇は恐ろしいものであるけれど、時にはこんな夜も悪くない
古代の魔女たちは月亡き夜、何を想ったのだろうか


感覚が研ぎ澄まされた今
雲のベールの裏に潜む、満月の引力すらも感じられる
メリ湖の真上に月が昇りつめたその時
水中で僅かな光が散見された
刻々と増える青白い光は寄り添うように弧を描き、ついには湖面を覆い尽くすに至ったのだ
これが…月満ちる青…

湖面に産まれ堕ちた青い月
星の輪廻を連想させるそれは、魔女たちの置き土産かもしれない



光が静かに沈降を始めた頃
お姉さんが、その正体を教えてくれた
発光性微生物を細胞に宿すマリモの古代種。その群れである…と
月亡き夜、満月の引力に惹かれ…
静寂なる湖底から音もなく浮上したマリモ達

引力が最大となる満月の夜にだけ浮遊する
月明かりの元では、目に留まることのない微弱で儚く神秘的な青
私は満ち足りた気分になり、胸の高鳴りを感じていた
この世界は多様性に満ちている―


私はこの日のことを忘れない
共に過ごしたかけがえのない満月の夜を
心が満ち満ちた青を


ジャグリン ―月満ちる青―





 

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