まったり仮面 （後編）

  「 まったりビーム！！！」







　「ぴったりビーム！！！」

　　ビビビビビビビビッ…！！！

　　　　　ビビビビビッビビビ…！！！！
　　


～今回のあらすじ～

激闘の末、巧妙かつアレな手段で宿敵キッチリ将軍を倒した、まったり仮面

残されたのは空しさだけであった。ライバルあってこその自分…

まったり仮面の虚ろな瞳に一筋の涙が光る

　「ピヨん…。ついカッとなってやりすぎたピヨ…
　仲直りに、まったりマンプリン一緒に食べるピヨ～
　全国小売店にて絶賛発売中ピヨよ？」









　「そーゆうことなら仲直りきゅ。ツルっとプルルン。あんまぁ～い
　 何と言っても、おまけのまったりマンカードが熱いんだノッ！
　 きゅ！？むっちり小町ゲットきゅっ！？ぼんきゅっぼんきゅっ！」



　※むっちり小町…まったりマンカードにおける、ふじこちゃん的なアレなレアカード








　「羨ましいピヨ～。こっちなんて、もっさり男爵ピヨ～
　 プリンいらないから二つ目開けるピヨね
　 ピヨ！？幻の大技まったりフェスティバルカードでたピヨ！
　 テンションあがってきたピヨォオオオッ！！！」

 

　
　「ねえねえお姉さーん
　 一緒にまったりマンプリン食べようよー
　 苺ミルク味、まったり味、もったり味、聖輝ハニー味、色々買ってきたんだー
　 まったりマンカードの交換とかしようよー」

　「あら？ありがとう。プリンのお味はうーん…。これは、好み分かれ…ますね
　 お、超神ぐったり大帝∞（ｽｰﾊﾟｰｺﾞｯﾀﾘｴﾝﾍﾟﾗｰｵﾌﾞｴﾝﾍﾟﾗｰﾒﾋﾞｳｽ）？
　 キラキラ光ってるのね。これってどうなのかしら？」

　「すごいよ！おおお姉さんんんんん！激レアカードだよ！
　 プリズムカードぺったり皇女とトレードする？トレードする？
　 ここだけの話、肝心のプリンは、あんまり美味しくないよねー
　 単価安いのは分かるけど、どうしてかなぁ…？」









　「お姉さん素人だから詳しいことは知らないんだけど
　 んー…。分かる範囲でご説明しますね」
　※長文につき、読み飛ばし推奨※

 


「一般家庭でお菓子を作る場合、材料費しか見てないんじゃないかしら？
実際は、手間隙（人件費）、光熱費、設備費、色々必要です
大量生産の商品としてのお菓子は、その辺が明確に価格へ反映されます
では、実際どのような経費が掛かっているのかしら？

食材費、容器包装代、製造するための設備投資、修繕費、人件費、光熱費
出来上がった商品の保管費、店舗までの流通費。製造、流通、販売それぞれの経費と利益
まったりマンプリンのようなキャラクター商品は、版権元へのライセンス料も発生します
他にも販売促進のための経費。分りやすいのはキャンペーンやＣＭかしら？
広告費も商品代金にオンされます。派手にＣＭを出している商品は…まぁ、そうゆうことです
ざっと思い当たるだけでもこれらのコストがかかるんですね
実際にはその他諸々の経費が必要なのですが、今回は割愛しますね

（中略）

細かい話になりますが、まったり仮面クラスになると、ライセンス料もお高くて
商品小売価格のそうねぇ…１４％前後は乗ってるんじゃないかしら？
パッケージにまったり仮面のキャラクターが印刷されているでしょ？
出来上がった最終商品のプリン１個あたりにライセンス料がかかるんじゃくて…
パッケージに印刷された段階で、ライセンス料金が乗ります。言いたいこと分るかしら？
プリン製造中のロスはどうしても、でちゃうんだけど（ロス率４％ぐらいかな？）
製造の過程でロスしたパッケージは、ライセンス料金込みのもの…
なので、商品１個あたりのライセンス料で考えると更に割高になっちゃうのね

（中略）

人件費で言えば…、別添のカードをひとつひとつ手作業でセットアップしてますので
仮に、時給の安いゴブリンを雇用していたとしても、コストアップは避けられません
それに噂では、まったりマンプリンの販路。４社も入っていて中間マージンが高いのよねぇ
他にも…特売企画が入ると協賛費の名目で、製造メーカーは負担を強いられます
業界再編で流通が強いから、製造メーカーにしわ寄せが来ちゃうのね

昨年の原料価格高騰は一旦収まったとは言っても
原材料の購入は数ヶ月、半年のスパンで前もって押さえているから
今、使っている材料はその時のもの。いわゆる高い材料なの
消費者の想像ほど資材は安くなっていません。むしろ世界的には食料が不足
中長期的にみれば、また上がるわよ？容器包装にしてもそう。物流経費についてもです
その証拠にマスコミが騒いでいないだけで石油価格、じわりじわりとまた上がっているでしょう？

（中略）

お姉さん、素人だからあまり詳しいことは知らないんだけど
世界情勢、社会情勢、各業界のパワーバランスを鑑みるとこんな感じかしら？
コストの分だけ、商品も高く設定できればいいんだけど、なかなかそうもいきません

商品の性質上、子供たちがお小遣いで買える価格かどうか？一つの基準になります
逆算すると、製造メーカーが商品に使えるコストは自ずと決まります
中身…つまりは食材に使えるコストは限りなく少ないの
末端小売価格１２０円／個のまったりマンプリン。食材費はざっと２円８５銭／個が限度
ね、びっくりするぐらい安いでしょ？お世辞にも美味しいものではありませんが
極めて限られた予算の中で上手に作っていると思いますよ？ 」

　「おおお姉さんんんんん！
　 あまくてまったりなお話の上には、誰かの涙がほろり…
　 まったりマンプリンの裏側には、厳しい現実世界が広がっているんだねー
　 まったりビィーイイイム！ビビビビビ…」









　「そうですね。仕事は厳しいものです
　 世の中、楽な仕事なんてありませんよ？フフ
　 あ、聖テキパキ銀戦車カードでた！かっこいい！
　 超世紀神速ビーィィイイム！ビビビビ…」

「「ビビビビビ…」」

「「「 ビビビビビ… 」」」

 

 

 

次回、感動のエンディング！

2037年8月3日の放送を予定しておりますん☆

ビビビビビビ…